「ちょっと、お兄ちゃん」

“ボコボコにするからな”って、何てことを言うのよ…。

そう思って周晴さんを見たら、彼は私に向かって微笑みかけてくれた。

それからお兄ちゃんの方に視線を向けると、
「約束します、希里恵と大晴を必ず幸せにします」
と、言った。

お兄ちゃんはわかったと言うように、首を縦に振ってうなずいた。

「あの…少しの間だけ、希里恵と2人きりになってもいいでしょうか?」

周晴さんはお兄ちゃんと雪穂さんに言った。

「はい」

「どうぞ」

彼らから返事が返ってきたのを確認すると、周晴さんは大晴と同じ目線にしゃがんだ。

「大晴、ママと2人きりでお話がしたいからママのことを借りてもいいかな?」

そう言った周晴さんに、
「うん、いいよ!」

大晴は笑顔で首を縦に振って返事をした。