リボン~もう1度君に、プロポーズ~

周晴さんの実家を後にすると、
「よかったな」

お兄ちゃんは周晴さんに声をかけた。

「はい」

周晴さんは返事をした。

「別れさせられた理由もわかって、お父様に希里恵ちゃんとの仲を認めてもらえてよかったですね」

そう声をかけてきた雪穂さんに、
「お兄さん、お姉さん、今日は本当にありがとうございました」

周晴さんはお礼を言って頭を下げた。

「お姉さんって…」

周晴さんから“お姉さん”と呼ばれた雪穂さんは満更でもないと言うような顔をした。

「おい、周晴」

お兄ちゃんが周晴さんの名前を呼んだ。

「はい」

返事をした周晴さんに、
「一緒になるんだから、ちゃんと妹――希里恵と大晴を幸せにするんだぞ。

2人を悲しませたら、その時はボコボコにするからな」

お兄ちゃんは言った。