「え?あ、ありがとうっ。」 わたしが言い終わらないうちに、リビングから出て行く冬舞くん。 …やっぱり優しい。 普段は何に対しても無気力でやる気のなさそうな冬舞くんだけど、わたしは冬舞くんのこういう不器用な優しさも好き。 「……冬舞が誰かのために、しかも女の子のために動くなんて珍しいな……。もしかして冬舞もゆうなちゃんのこと……」 またもやボソッと呟く晴希さん。 だけど、今度は声が小さ過ぎて聞こえなかった。