*朝陽side*
「今の……ゆうなちゃんのお兄さん?」
「…状況がよく読めないんだけど。」
先輩達の戸惑った声が聞こえるけど、正直今の俺には耳に入ってこない。
……何が起きたのか一瞬分からなかった。
でも……確かにゆうなは俺のことを“ひーくん”と呼んだ。
なんで…どうして……
その言葉ばかりが俺の頭の中を渦巻いている。
祐樹さんが俺のことを“朝陽”と呼んだ時、ゆうなは反射的に反応した。
しかもゆうなにしては珍しく、祐樹さんに向ける目線は探るようなものだった。
そして、その後も、躊躇いもなく俺のことを“ひーくん”と呼んだ。
それはつまり、ゆうなが前々から“ひーくん”たる存在を知っていたということ。
それと多分、俺がひーくんだと疑っていた可能性が高い。



