そんなこと、全然考えてなかった……
「……そう。」
冬舞くんはそれだけ言って、わたしを腕の中から解放すると、さっさと行ってしまう。
「冬舞くんっ……」
追いかけたいけれど、今中途半端な気持ちのわたしには、その資格はない…
わたしはしばらくぼーっと冬舞くんの後ろ姿を眺めていた。
付き合って早々こんなことになるなんてっ……
いくら自分のせいだとはいえ、やっぱり悲しい。
だけど…いつまでもずっとこのままはイヤだ。
わたしも覚悟を決めなきゃっ…
『ゆうななら大丈夫だよ、自信を持って……』
『そう、自分に魔法をかけるんだよ。自分は誰よりもかわいいって……』
夢の中でひーくんと思わしき人がそう言ってくれたんだ。



