「んー!」
と、冬舞くん苦しいですっ…
目で訴えるけど、なかなか離してくれない。
しかも、やっと離してくれたと思ったら、いきなり繋がれていた手をグイッと引かれ、冬舞くんの腕の中に閉じ込められた。
その反動で、持っていたバッグがズルッと地面に落ちる。
わたしは状況がよく飲み込めず、冬舞くんの腕の中で目を白黒させていた。
「……ねぇ、ゆうなは僕と付き合ってるのが他の人にバレたらイヤ?」
耳元で聞こえる、いつもよりも低い冬舞くんの声に、背中がゾクリと震える。
や、やっぱりさっきから薄々感じてはいたけど…
冬舞くん、なんか不機嫌、だよね……?
「…ゆうな、正直に答えて。」
こ、これはまずいっ……



