にっこり笑顔を浮かべて、さりげなくわたしの荷物を持ってくれる竜司先輩。
「え、でも…」
「遠慮しないの。こういう時は素直に甘えるのが女の子だよ。」
蓮夜先輩は戸惑うわたしの頭の上に手をポンとおく。
「じゃあお言葉に甘えてお願いします…」
ペコッと頭を下げると、二人とも満足そうに微笑んだ。
さっきまでは気にしてなかったけど、こう見ると二人ともイケメンさんだな…
祐樹にぃと侑李とはまたちょっと違うタイプ。
ーーーーーーーー
「失礼しました。」
理事長室から出て、ふうっと一息つく。
理事長は急用のため不在のようで、あいさつ出来なかった。
竜司先輩と蓮夜先輩は、何やら別の用事があるらしく、わたしを理事長室まで届けると、どこかへ行ってしまった。



