「は、はい…そうですけど…。でもどうしてそのことを…?」
「紹介遅れてごめんね。俺はこの学園の三年、小栗 竜司 (おぐり りゅうじ)。特別寮だよ。よろしくね?」
「あ…よろしくお願いします…」
わたしも慌てて頭を下げる。
「俺も三年で、速水 蓮夜 (はやみ れんや)。特別寮だよ。君の名前は?」
「わたしは綾瀬 ゆうなです。二年です。こちらこそよろしくお願いします。」
よかった、優しそうな先輩に会えて。
あいさつをしながら、少しホッとしていた。
「ゆうなちゃん、理事長室行くの?」
「はい。まずは到着したことを知らせて、あいさつしないといけないので。」
そうだ、急がなくちゃ。
予定より少し遅れちゃったから…
「じゃあ、俺たちが連れて行ってあげるよ。ほら、行こう。」



