そっと手を引く。
起き上がってみるとやっぱり体が軽い。だいぶ良くなった。まだ本調子ではないけれど、これくらいはできるだろうとベッドから降りて起こさないように静かに藍を抱き上げる。
そしてさっきまで俺が寝ていたベッドに寝かせて軽いブランケットをかける。
藍の寝顔は気持ちよさそうで思わず顔に伸びた左手を正気に戻って引っ込める。何をしようとしていたんだ。俺は。
さっきの出来事をなかったことにしたくて慌てて立ち上がる。そして、特にすることもなくてまた同じところに座る。
なんだろう。この可愛くて無防備な幼なじみは。いつも、俺のことを気にかけてくれる優しい幼なじみ。
