「どうぞ」と部屋へ招き入れると、安成さんはコットの中の小さな娘を見て顔を綻ばせた。
「芹沢さんにそっくりですね、可愛いです」
「ありがとうございます」
なんだか私が可愛いと言われているようで照れくさい。
「当然だろう、俺の子だからな」
宏太さんが突然横から会話に入ってきた。どことなくムッとしているように見えるのは気のせいだろうか。
安成さんは宏太さんをまじまじと見つめる。
「もしかして宏兄?」
半信半疑でそう問いかけ首を傾げる。
「今頃気づいたのか」
「ええ、まさか本当に? 嬉しい、こんなところで会えるなんて」
安成さんはパァッと笑顔を輝かせた。
もしかしなくても二人は知り合いなのだろう。世間は狭いってこのことを言うのだろうか。
「だいたいお前は気づくのが遅いんだよ」
「ごめんごめん」
あれほど宏太さんを警戒していた安成さんだったが、今はとても慕っているように見える。
聞くところによると学年はずいぶん違うが関根院長と安成さんの実家が近く、宏太さんが遊びにきた時に安成さんはよく勉強を見てもらっていたそうだ。
「一応確認しておくが、杏奈とはどういう関係なんだ?」



