「真っ赤だな。照れているのか?」
「そ、それは」
この状況でこんなセリフを言われたら、誰だって照れるに決まってる。
それを見て楽しむなんて宏太さんは意外とイジワルだ。
「産後体が回復したら、たっぷり愛してやるから覚悟しておけよ」
「……っ」
何も言い返せずにいると、宏太さんは口角を持ち上げて色気たっぷりに微笑んだ。低く甘いその声に背筋がゾクリと粟立つ。
私ばかり動揺させられて宏太さんは大人の余裕というのだろうか、飄々としている。
ずるい。
とても魅力的でますます気持ちが膨らんでいく。早く思いっきり愛されたいだなんて、そんな淫らな考えがよぎり、思いっきり頭を振った。
私ったら、いつからこんなことを思うようになったの。もう一度宏太さんに触れたいし触れてほしい。淡い期待が現実味を増してきて止まらない。
「見ていて飽きないな、杏奈は」
フッと小さく笑われて、その微笑みにさえドキドキする。
「もう限界だ」
その囁きの後で、宏太さんの顔が近づいてきた。
「んっ」
唇に触れる懐かしい感覚。柔らかいそれが何度も何度も角度を変えて降ってくる。
息つく間もなく繰り返される行為に、だんだんと思考が奪われていった。



