はじめての恋は、きみと一緒。

「でも、沙耶の気持ちもわからなくねえよ。お前は友達大事にするタイプじゃん」

 そう言われて胸が苦しくなる。

 友達だからこそ、はっきりと言うべきだったのかもしれない。

 だけどあのときは咄嗟に判断できなかったし、改めて考えても嫌われてしまうかもっていう怖さは拭えない。

「敦瑠もわかってると思うんだ。だけど、好きって伝えた後だったから焦りもあったんじゃねえの? 今すぐ返事はいらないって言ってもさ、沙耶が自分のことをどう思っているか、気にしないわけないし」

「うん……」

「敦瑠は認めなかったけど、中学の頃から沙耶のこと好きなんだろうなって俺は近くで見ていてそう感じてたよ」

「そ、そうなの?」

 尋ねたわたしに、杉谷は思い出したように笑いだす。

「だって敦瑠、沙耶にはかなり優しかっただろ。遊んだあとは必ず家まで送り届けるし、沙耶がなにか落ち込んでいるみたいだって聞いたら、すぐに声かけにいってたし。他にも明らかに他の女子とは対応が違っているように俺は思ったかな」

 杉谷の話を聞いていると、ちょっと照れてしまう。

 他の友達から見た敦瑠は、わたしのことが好きって感じるような行動だったらしい。

 わたし、鈍感だったのかな……。

「沙耶も中学のときから敦瑠のこと特別だっただろ? 他の男子とは違うって感覚あるように見えたような……まぁ、俺は女心とか一番わかんねぇけど」

「うん、そうだと思う」

「なんだよ!? 今のは沙耶の気持ちのこと!? それとも毎回彼女に『杉谷くんって思ってたより楽しくないね』って振られる俺のこと!?」

「えー……知らないよ、杉谷の振られる理由なんて」

 杉谷の自虐ネタに思わず笑ってしまう。

 すると杉谷もニッと口角を上げた。

 笑ったな、って言われているような気がして、少しだけ気持ちが和らいだ。