はじめての恋は、きみと一緒。

 ひとりで帰っていると、涙が出そうになる。

 敦瑠に呆れられた。

 わたしのことなんてもういいって思っているかもしれない。

 落ち込んだ気持ちは復活しないまま、電車から降りて駅の改札を通った。

 海乃ちゃんを悲しませたくない。でも、敦瑠に誤解されたままなのも嫌だ。

 敦瑠が好きなことを海乃ちゃんに話そう。

 黙っていてもいなくても、苦しいのは確かだ。

 それならちゃんと素直に伝えるしかない。

 ため息をついたとき、後ろから「沙耶!」と声をかけられた。

 振り返ると、元気よく駆け寄ってくる杉谷がいた。

「やっぱ沙耶だった! 後ろ姿見て声かけたから、これで沙耶じゃなかったらでかい声で呼んだ俺かなり恥ずかしかったよな!」

「あ、うん……」

「えっ、どうした? なんか元気ない?」

 今のわたしにはテンションの高い杉谷についていける明るさはなくて、沈んだ声で返答してしまい、心配そうな目を向けられてしまった。

「ごめん、杉谷。今はあんまり笑えない」

「どうしたよ?」

 尋ねてきた杉谷をじっと見た後、わたしは今日何度目かわからないため息をつく。

 すると杉谷に腕をぐいっと引っ張られて、「ちょっと寄ってこうぜ」と駅前のクレープ屋さんに連れていかれた。

 杉谷はピザクレープ、わたしはあまり食べる気になれなかったから、ドリンクのメロンソーダを頼んで近くの公園に向かい、ベンチに座った。

「んで、どうした?」

 クレープをひと口食べた杉谷がわたしに尋ねる。

 曇った気持ちを少しでも楽にしたくなって、わたしはゆっくりと話し出した。

「……敦瑠に、嫌な思いさせちゃった」

「嫌な思い?」

「うん……。わたしが悪いことした」