はじめての恋は、きみと一緒。

 少しだけ振り返って敦瑠を見ると、ふっと笑った彼はすぐにわたしに追いついて隣を歩いた。
 そんな敦瑠との距離が今までと同じようで違うというのを感じながら、わたしは教室へと戻った。



 それから数日。

敦瑠への気持ちを募らせながらもまだそれを伝えられていない。

 もうこの前みたいに予鈴に邪魔されたくなくて、学校以外でふたりきりになったときに言おうと思っているのに。

 敦瑠は今週バイトを多く入れているらしく、わたしはゆっくり話をしたいと思うから放課後は無理。

 メッセージで伝えれば顔を見ずにすんで緊張しないし一瞬だけど……。

 敦瑠は直接言ってくれたから、できればわたしも彼に直接伝えたいって思う。

 それならやっぱり、今度出掛けるときに言う?

 でもいつになるかわからないし……。

 こういうときこそ、わたしから!

 そう思ったわたしは、制服のポケットからスマホを取り出した。

 お昼休み。昼食を終えて菜々花は梶本くんのところに行っていてそばにいない。

 なんて誘おうかな……。

 スマホを見つめながら考えていたとき、教室のドアの方から「沙耶ちゃん!」と呼ばれた。

 振り向くとそこには、一年生のときに同じクラスだった海乃《みの》ちゃんがいた。

 クラスは離れちゃったけどたまに話すことがあって、仲良しの子。

 栗色のショートヘアで、陸上部に所属している。優しくて、明るい女の子だ。

「どうしたの?」

 わたしは席を立って海乃ちゃんのところに向かう。

「あのね、相談したいことがあって……。今ちょっと話せるかな?」

「うん、大丈夫だよ」

「よかった、ありがとう!」

 朗らかな笑顔の海乃ちゃんにうなずくと、「人が少ない場所で話してもいい?」と教室から離れたので、わたしはついていった。