はじめての恋は、きみと一緒。

 それからちょっとした会話のあとにできる間を繰り返して、お弁当の中身が減っていく。

 時間が過ぎるのが速い気がした。

「なんだかんだふたりで昼飯食べるの、初じゃん?」

「そうかも。だいたい菜々花たちも一緒だし」

 ミルクティーを飲む敦瑠にわたしはお弁当箱をしまいながらうなずいた後、少しの間黙り込む。

 もっと積極的になってもいいかな……?

「ま、また、一緒に食べようよ」

 鞄のファスナーを閉めながら勢いでそう言ったわたしは、ちらっと敦瑠の様子を窺うように見た。

 心臓の音がすごくうるさい。

 そわそわしていると、彼は小さく笑って腕を伸ばし、わたしの頭を撫でながら「うん」と返事をした。

 胸の高鳴りが体中に響いて、頬が熱くなる。

 想いがあふれだしそうで。

「あのね、敦瑠……」

 ぽうっとしながら口を開いたとき、予鈴の音が響き渡った。

 午後の授業の準備に来た先生だろうか。下の階の廊下を歩く足音や、話し声が徐々に聞こえ出す。

「えっと、あの……戻ろう! 教室までちょっと離れてるからね!」

 なんだかすごく恥ずかしくなってきて、わたしはすっと立ち上がってそう言った。

 好きって、言葉にしようとしてた。

 あとちょっと……タイミングが……。

 もう! スマホで時間確認しておけばよかった!

 そんなことを思いながらうつむいていると、わたしの火照った頬に敦瑠の手が触れた。

 驚いて顔を上げると、敦瑠が意地悪っぽい笑みを浮かべる。

「真っ赤じゃん。なんで?」

「う、うるさいな! ほら、午後の授業遅れちゃうから行くよ!」

 からかうように目を細める敦瑠を急かしながら、わたしは歩き出した。