はじめての恋は、きみと一緒。

「じゃ、どっか別の場所で食おうぜ」

「う、うん」

「どこにする?」

「えーっと……」

 話をしながら教室を出ていく敦瑠についていきながら、心臓の音がどんどん大きくなっていくのを感じる。

 昨日頬にキスされたこととか、チャンスがきたら気持ちを伝えるんだって、菜々花と朝話したせいだ。

「特別棟行ってみるか。踊り場だれもいなそう」

「そ、そうだね」

 わたしと違って敦瑠は普通すぎ!

 そわそわしながら歩いて、特別棟の二階の踊り場までたどり着き、階段の三段目の端に腰を下ろした敦瑠の横にわたしも座った。

「もしかしてさ、菜々花ちゃん俺たちをふたりきりにしようとか考えてくれたのかな」

「……うん」

「やっぱり」

 敦瑠は笑いながら購買で買ったコロッケパンの袋を開ける。

 菜々花、バレちゃってるよ。

 でもふたりきりが嫌とかじゃないし、こんな感じでもいいよね、と開き直りながらわたしは鞄からお弁当箱を取り出した。

「ということは、菜々花ちゃんは俺たちを応援してくれてんの?」

「そ、そういうことになるね」

「ありがたいな、それは」

 階段だからお互いの声が響くし、外の中庭にいる生徒の話し声が少し届くくらいで、静かさが目立つ。

 緊張するなと思いながら、わたしは卵焼きを口に入れた。

「昨日、結構歩いたよな。足平気だった?」

「大丈夫だよ」

「そっか。次はどこ行く?」

「つ、次!?」

「次があっちゃダメかよ?」

「別にダメじゃないけど!」

「じゃあまた予定立てよう」

「……うん」

 頬を緩ませた敦瑠に、わたしはドキドキしてうつむいてしまった。

 なんだかもう、照れることばっかり。