はじめての恋は、きみと一緒。

「とにかく、チャンスがきたら言うんだよ?」

「うん、わかってる……」

 わたしも、ちゃんと返事をしようと思っているし。

 がんばって、と肩を軽く揺らされたわたしは、うなずいていた。



「沙耶、お昼ご飯なんだけど、今日は絢斗くんとふたりきりで食べてもいいかな?」

 菜々花がそう言ってきたのは、四時間目の授業が終わっていつものように菜々花の席に鞄を持ってきたとき。

「それで、沙耶は敦瑠くんと一緒に食べたらどう?」

「えっ……!?」

 満面の笑みの菜々花に、わたしは動揺を隠せないままリアクションしてしまった。

 この菜々花の笑顔……もしかして、敦瑠とわたしをふたりきりにしようとしてる!?

 彼女の考えていることが見えてしまい、わたしはさらに慌てた。

「ちょっと、さすがに急じゃない!?」

「さっき絢斗くんにメッセージ送って、敦瑠くんも連れてきてくれるって」

「ええっ!?」

「少し背中押さないと、沙耶はずっと照れちゃいそうだから」

 たしかに、敦瑠は友達って思っていた期間が長いから、男の子として意識しちゃうことに未だに慣れない。

 誰かに少し強引にチャンスを作ってもらうほうが、行動できるかも……。

 そんなことを考えているうちに、購買帰りの梶本くんと敦瑠がわたしたちのクラスにやってきた。

「ごめんね、急に。えっと、今日は絢斗くんとふたりきりで……」

 菜々花が不自然に見えないように、梶本くんと敦瑠に話をしている。

 そして梶本くんは菜々花の考えていることを理解したみたい。

 彼女の腕を掴んで自分の方へと引き寄せると、わたしを見た。

「今日の昼は菜々花と俺で飯食うから。敦瑠のことよろしく」

「う、うん……」

 たぶん、梶本くんは気づいてる。ちょっとだけ不敵な笑みが隠れていたような彼の表情にどぎまぎしながら、わたしは返事をした。