はじめての恋は、きみと一緒。

 すると、待っていた電車がホームに入ってくる。

 気持ちを探るように視線を残した敦瑠が前を向く。ちょうどドアが開いたので、わたしたちは電車へと乗り込んだ。

 休日の昼間だから人が少ないから、余裕で座ることができた。

「先に飯食う?」

「えっと、まだお腹すいてない」

「マジ? 沙耶のことだから映画よりも昼飯が先かと思った」

「お、起きるのが遅かったから、朝ご飯も遅かったの!」

 からかうように笑う敦瑠にムッとしながらも、胸が高鳴ってしまう不思議な気分に振り回されているような気がする。

 朝ご飯が遅かったのは事実だけど、今はいろいろな感情でお腹いっぱいだからご飯が喉を通らないんだよ……。

 学校のこと、地元の友達の話など普段と変わらない会話を繰り返しながら、目的地の最寄り駅で電車を降りた。

 駅から歩いてすぐに商業ビルの入口があって、一階は生活雑貨やアクセサリー、二階と三階は洋服店が多く並んでいて、高校生のわたしにはまだ買うことのできないブランドもある。

 四階がフードコートとレストランやデザートのお店、そして五階が映画館だ。

 一緒にいるわたしたちは、周りからどんな関係に見えているのかな?

 すれ違うのは家族連れや恋人同士、友達と一緒に買い物をしている同世代の子たちなども多く見かけて、ちょっとだけ気になってしまう。

「先に映画見るなら、十二時四十分のやつがある」

「わたしは先でいいけど、敦瑠はお腹減ってない?」

「大丈夫。沙耶に合わせるよ」

 スマホで上映スケジュールを確認したわたしたちは、五階へ移動した。