はじめての恋は、きみと一緒。

 思い返すと、敦瑠はいつもわたしのそばにいた。

 中学二生のときに同じクラスになって最初は〝チャラそう〟って思った。

 学年でも目立つグループの中にいたし、周りの女の子もその目立つグループの男の子たちの話をよくしていた。

 好きな子いるのかな?

 誰と付き合っているのかな?

 そうやって女の子たちが話しているのを耳にしただけなのに、わたしの中で勝手に軽薄そうなイメージがついていた。

 きっと派手でうるさい人なんだ。性格も悪いのかな。

 同じクラスになる前は敦瑠のことをそんなふうに思っていたのだけど、実際の敦瑠は面白くて優しい男の子だった。

『今日から隣よろしく』

 席替えで隣同士になったわたしに、敦瑠は人懐っこい笑みを向けながらそう言った。

 はじめて日直が回ってきたとき、黒板消しや日誌をサボるようなことしないかな?と疑ってみたけど、一緒に真面目に取り組んでくれてしっかりした一面も見た。

『ノート運ぶの、重いだろ? 俺持ってくよ』

 気遣ってくれるんだ。

 先生に提出するクラス全員のノートを運んでくれた敦瑠を〝いい人〟と感じたわたしは、それからよく彼と話すようになった。

 わからない問題があったら一緒に『こうじゃない?』と解き合ったり、漫画や芸能人の話をしたり、他の友達とグループになって休日遊びにいったり。

 あっという間に仲良くなったんだ。

 気の合う友達。

 毎日遊んでふざけて笑って、楽しく過ごしていた。

 何年経っても〝友達〟なのは変わらないんだろうなって。

 あの頃から思っていたんだ――。