はじめての恋は、きみと一緒。

 駅に着いて構内へ入ると、入口近くでスマホをいじっている敦瑠をすぐに見つけた。

 Tシャツにチノパンを穿いている私服姿なんて珍しくないのにドキッとしてしまい、平静にならなきゃ!と言い聞かせてから敦瑠に声をかける。

「敦瑠!」

 スマホから顔を上げた敦瑠はわたしを視界に捉えると、優しく笑った。

「ごめん、待たせちゃった?」

「いや、俺が早く来てただけ」

 そう言った敦瑠はすぐに歩き出したので、わたしはその後ろをついていく。

 いつも通りの会話……って、こんなこと考えながら話そうとしている時点でもう不自然になっちゃう自信がある。

 そのまま改札を通ってホームへと下りても黙ったままで、様子を窺うように敦瑠の方を見ると、彼はわたしに視線を向けていた。

「な、なに!?」

「いや……ははっ、なんか俺結構緊張してるんだけど」

 片手で首の後ろを触りながら照れくさそうにする敦瑠に、胸の鼓動が高鳴りだす。

「……わ、わたしも、朝からずっと緊張してる」

「それって、俺のこと意識してくれてるってことでいいんだよな?」

 緊張とか言っていたくせに、恥ずかしげもなくそういうこと聞いてくるの!?

 わたしは居た堪れなくてうつむいてしまった。

 こんな態度、肯定しているのと一緒だ……!

「もっと意識してほしいから、今日は誘って正解ってことか」

 ほっとしているような、そんな柔らかな声が届く。

 照れてしまってどうしたらいいのかわからないわたしは、黙ったままになってしまった。