はじめての恋は、きみと一緒。

 日曜日の午前十時過ぎ、わたしは部屋でクローゼットから取り出した服をベッドに並べて、何度も着替え直していた。

 〝友達〟だったらこんなに悩まない。

 髪型もどうしよう……いつも通りストレートでいいかな?

 体育祭が無事に終わって、敦瑠からデートに誘われたことを彼女に話すと、とてもうれしそうな表情で『敦瑠くん、積極的だね。よかったね、沙耶!』なんて言ってて……。

 今まで敦瑠と休日に遊ぶことは何度もあったし、そのときは服装なんて全然気にしなかった。

『沙耶は沙耶のままでいいんだよ』って菜々花は言ってくれたけど……。

〝デート〟って考えたら、女の子っぽい格好を意識したほうがいいのかなって、考えてしまう。

 そのまま当日になっても着ていく服が決まらなくて、慌てていた。

 敦瑠とは十一時に駅前で待ち合わせをしているから、そろそろ着替えないと間に合わない!

 もう、これでいいよね!

 半分ヤケになりながら、一番そばにあったショートパンツを穿いて支度を急いだ。

 リビングにいたお母さんに出掛けることを伝えて家を出たわたしは、駅までの道のりを進む。

 毎日通学で歩いているのに、今日はいつもと違う気がする。

 それはたぶん……緊張しているから。

 前日に敦瑠から連絡がきて、出掛ける場所をメッセージで話し合った。

 いつもなんとなく集まって遊ぶことや、その日の気分で行動することが多かったから、ちゃんと予定を決めておくなんて、わたしたちにとっては新鮮なことだった。

 敦瑠が見たい映画があるって言っていて、タイトルを聞くとわたしも気になっていた漫画を実写化したコメディ映画。

 見たい!ってすぐに返信して、行き先は地元からちょっと離れた場所にある商業施設になった。