はじめての恋は、きみと一緒。

 鳴川先輩の態度に困っていると、先輩がわたしの方へ一歩近づいてきた。

「ね? 沙耶ちゃん、これからも仲良くしてね」

 肩に置こうと伸びてきた先輩の手をかわしたちょうど、後ろからぐいっとわたしの腕が引っ張られた。

 驚いて振り向くと、そこには敦瑠と梶本くんがいた。

 敦瑠はわたしの腕を掴んでいて、目が合うとさらに自分の方へわたしを引っ張った。

 そして、鳴川先輩を睨むように見る。

「もう沙耶には関わらないでくださいよ」

「またお前……なんなんだよ!?」

 鳴川先輩の声が大きくなって、言い合いになったらどうしようと思っているのに、敦瑠とくっついていることにドキドキして動けない。

 それと同時に、すごく安心している自分がいる。

 怒ったような顔をしていた鳴川先輩は、おとなしくわたしが敦瑠のそばにいるのを見て、「……そういうことかよ」とぼそっとつぶやくように言った後、背を向けて行ってしまった。

「あの先輩、沙耶と敦瑠くんが付き合っていると思ったのかも。きっともう仲良くしようなんて言ってこなくなるよ」

「そ、そっか……!」

 菜々花の言葉に、自分が敦瑠にぴったりとくっついている状態だということが改めて恥ずかしくなってきたわたしは、距離を取ろうと横に動こうとした。

 けれど、敦瑠がわたしの腕を離さなかった。

「大丈夫だったか? 絡まれたんだろ」

「か、絡まれたというか……お昼休みのときのこと謝られたの。それでこれからも仲良くしようみたいなこと言われて困ってて……敦瑠がきてくれて助かったよ。ありがとう」