はじめての恋は、きみと一緒。

 真剣な表情になった敦瑠を見て、心臓の音が跳ね上がる。

 特別な女の子って、そんなふうに言われたことに気恥ずかしさとうれしさが混ざり合っていた。

「ダメ?」

「……ううん」

「よし、決まりな!」

 敦瑠はわたしの様子を窺うように首を傾けた後、すぐ笑顔になった。

 そんな彼を見たわたしは、戸惑いながらもうなずく。

 普段の遊ぶ約束とは違うから、どういう言葉を返せばいいのかわからない。

「沙耶!」

 そろそろ自分の頬が真っ赤になってきたんじゃないかと焦りはじめたとき、菜々花がわたしを呼んで、梶本くんと一緒にそばにやってきた。

「横村くんが沙耶のこと探してたよ。用具の係があるんじゃない?」

「あっ……そ、そうだった! 行ってくるね!」

 この場を離れる理由を見つけられたことにほっとしながら菜々花に言葉を返した後、ちらっと敦瑠を振り返ると、機嫌の良さそうな表情でわたしを見ていた。

 わたしと敦瑠がデートするってどんな感じなのかな……。

 誘われた日曜日のことを考えて、ドキドキする気持ちが抑えられなかった。



 体育祭は無事すべての競技を終えて、用具の片付けは他の生徒も手伝ってくれたおかげでスムーズに進んだ。

 放課後は普段よりも下校が早かったので、菜々花とファミレスでデザートを食べに行こうという話になった。

「これ明日筋肉痛になるパターン」

 下駄箱に上履きをしまいながら疲れたため息をつくと、菜々花もうなずいた。

「わかる。全力で走ったからね」

「今日はよく寝られそうだよ」

「でも楽しかった。みんなが頑張ってる姿いっぱい見られたし」