はじめての恋は、きみと一緒。

 いつも通りでいようって思うのに、自分の気持ちを認めたばかりのせいか敦瑠を直視できない……!

 ていうか、ここ最近は敦瑠にたいして平静でいられたことなんて少ないんじゃないかな。

 ちゃんと気持ちを伝えたら、もうこんなふうに意識しない?

 ううん、もっとドキドキしそう。

 恥ずかしくても、素直になるのが怖くても、それでも好きって気持ちはずっとあふれているんだ。

 前の列がスタートして、次はわたしの番。菜々花がゴールした姿を見届けると、一呼吸してから姿勢を作り、ピストルの音が鳴った瞬間走り出した。

 真っ直ぐ前だけを見て走っていたけど、

「沙耶、頑張れ!」

 敦瑠がいた応援席の前を通り過ぎるとき、しっかりと彼の声が耳に届いた。

 胸の鼓動がはじけるように全身に伝わって、ゴールまでいっきに駆け抜けた。

「すごい、沙耶! 一位だったね!」

 競技が終わって、菜々花がうれしそうにわたしに声をかけてきた。

 菜々花は二位だったようで、ちょっと悔しそうにしていたけれど、応援席に戻る途中、梶本くんに『頑張ったな』と頭を撫でられて笑顔になっていた。

 わたしはそのふたりの近くにいる敦瑠を見つめる。

 走っているとき、周りはざわざわしていたのに敦瑠の声だけ鮮明に聞こえて不思議だった。

 思い出していると、視界に捉えていた敦瑠がふいにこちらに顔を向けた。