はじめての恋は、きみと一緒。

 恋の相談は聞くことが多くて、その都度友達を励ましていたけれど、自分のことになると全然わからなくなっちゃうんだなぁ。

「沙耶のこと、応援するからね!」

 花が咲いたような明るい表情の菜々花に照れたわたしは、ふたたびうつむいてしまった。

 敦瑠への気持ちを素直に認めたら、好きって言ってくれたことや、さっき抱きしめられたことが余計に恥ずかしくなってきた。

 わたし、敦瑠に好きって伝えられるかな?

 敦瑠のことを考えるとこんなに心臓の音がうるさくなっちゃうのに、本人の前で好きなんて言える自信がない。

 でも、このままなにもしないっていうのも無理。

 だって敦瑠はわたしに気持ちを伝えてくれたのだから、ちゃんと答えたいって思う。

 そんなことを考えていると、隣の菜々花が背中をぽんっと軽く叩いた。

「沙耶、この後は二年生女子の徒競走だよ。行こう!」

「……うん!」

 応援席から離れたわたしたちは、競技までの待機場所へと向かって、指示された列へ並んだ。

 さっきからふわふわしちゃってるけど、切り替えよう。徒競走は得意な種目だし。

「頑張ろうね!」

 ひとつ前の列に並んでいる菜々花が振り返り、ぐっと胸の前で拳を握ってそう言ったので、わたしも同じようにポーズを作ってうなずく。

 しばらくすると列が動き出し、徒競走のスタート地点へ移動した。

「あっ、絢斗くんと敦瑠くんが見てくれてるよ」

 こちらを向いてそう言った後、菜々花は応援席の一番前にいるふたりに手を振る。

 わたしは彼らを確認した後すぐに目を逸らしてしまった。