はじめての恋は、きみと一緒。

「菜々花……?」

「く、くすぐったい気分」

「えっ、なんでよ!?」

「だって、沙耶の気持ちがすごく伝わってきたから!」

 菜々花は頬から手を離すと、息をついてから真剣な表情でわたしを見た。

「沙耶が敦瑠くんにたいしてドキドキすること、変じゃないと思うよ。ずっと友達だったから混乱しているだけで、きっともう沙耶は敦瑠くんに恋をしているんじゃないかな?」

 首を傾けながらの菜々花の言葉が胸に染み渡っていく。

 今まで何度も、あふれてくる想いがあった。

 敦瑠への胸の高鳴り。

「……敦瑠のことが、好き」

「うん。その気持ち、ちゃんと敦瑠くんに伝えてあげて!」

「で、でも、先輩のこと気になってたとか言っておいて、すぐ敦瑠のこと好きとかそれこそ軽い感じしない!?」

「沙耶、敦瑠くんへの気持ちになんとなく気づきたくなくて、とにかく恋をしようって思ってたところなかった? 最近の沙耶の話を聞いてて、わたしはそう思ってた。敦瑠くんのこと〝好きになるわけない〟って言い聞かせていたような感じ」

 菜々花の言葉に今までのことを思い返すと、敦瑠にドキドキしてしまうのを必死に否定していた気がする。

 敦瑠に好きって言われたときもそう。

 本当は、あの日敦瑠が告白されているところを見たときから、ずっと胸が騒がしかったのに。

 だけど気恥ずかしさのようなものがあって、素直に認められなかったのかもしれない。

「沙耶が真面目なのは敦瑠くん十分わかっているだろうし、好きって気づいてそれを正直に伝えるんだから、軽くなんてないよ」

 にっこりと笑った菜々花にわたしは、本当の想いが心の真ん中に収まってくれたように感じて安心した。