はじめての恋は、きみと一緒。

 不安そうに見つめてくる菜々花に、わたしはお昼休みの出来事を話した。

 鳴川先輩には彼女がいるんじゃないかと敦瑠に言われていたことも、先輩に確認してから菜々花に話そうと思っていたし、詳しく話した。

 するといつも穏やかな菜々花が、珍しく眉を寄せていた。

「なにそれ……! 沙耶はそんな女の子じゃないのに、ひどい! 軽い人だって早めにわかってよかったよ。そうじゃなかったら、沙耶がもっと傷ついたかもしれない」

 強い口調でそう言った菜々花は、わたしのことを考えてくれているんだ。

 優しい彼女に心がやわらいで「そうだよね」とうなずいた。

「沙耶、つらくない? 大丈夫?」

「……うん。なんかね、思ったよりも落ち込んでないんだ」

 鳴川先輩の言葉を聞いてしまったときはショックだったけれど、あまり引きずっていない自分がいる。

 やっぱりわたしは先輩のこと、気になっているくらいで好きと言えるまでの気持ちにはなっていなかったのかもしれない。

「そっか……。そばに敦瑠くんがいてくれて、言い返してくれてよかったね」

 少しほっとしたような表情でそう言った菜々花に、わたしはうつむいてしまう。

 すると菜々花が「え!? どうしたの!?」と、慌てた様子で聞いてきたので、自分の気持ちをゆっくりと言葉にした。

「わたし、敦瑠に友達以上の特別な気持ちがあるのかも……。先輩のこと気になっているって言っていたときも、実際はずっと敦瑠のこと考えちゃうこと多かったし……なんだか変なんだ。今までこんなことなかったのに。ドキドキして、意識しちゃって……どうしたらいいのかわからなくなる」

 そう話した後、反応を気にするように菜々花を見たら、彼女は頬を両手で押さえて顔を赤くしている。