はじめての恋は、きみと一緒。

 わたしの知っている鳴川先輩のイメージとはかけ離れているような会話で、同じ名字の違う人なのかと感じるほど。

 でも〝実行委員〟と言っているから、先輩だろう。

「そういえば、実行委員で二年生にかわいい子いるんだよね」

「マジ? どんな子? 名前は?」

「沙耶ちゃんっていって、黒髪で大人っぽい感じ。純粋そうだけど、見た目遊んでそうなんだよなぁ。ちょっと優しくしたらすぐ懐いてくれたし」

 ……え? わたしの、名前?

 笑い声とともに聞こえてきたその言葉に、わたしはタオルを握りしめた。

 遊んでそうってなに? ちょっと優しくしたらって……鳴川先輩はそんなふうに思いながらわたしに接していたの?

「じゃあさ、鳴川がその女の子落とせるかみんなで予想しない?」

「俺は鳴川なら落とすと思う! 学年違うと鳴川のこういう裏の顔知らない可能性あるし」

「確かに。それじゃ俺も、落とすに一票!」

 鳴川先輩の友達の面白がるような笑い声が耳に届いて、喉の奥になにかが詰まるような感覚とともに息苦しくなってくる。

 先輩はわたしのことを遊んでそうなんて思っていたなんて知らず、優しくされて浮かれていた。

 そんな自分が恥ずかしい。

 しかもこんなふうに友達とわたしのことを面白がって話しているなんて。

 情けなく思えてきて唇を噛みしめながらうつむいたとき、わたしの横を人が通っていったのですぐに顔を上げた。