体育祭当日。
わたしは実行委員としていつもより一時間早く登校した。
グラウンドに集まって、各自用具の準備や進行の確認をする。その合間にわたしは、鳴川先輩を目で追っていた。
昨日敦瑠が話していた鳴川先輩に彼女がいるという話を、本人にたしかめたい。
そう思っていたけれど、実行委員の仕事を優先しなければならないので、タイミングが掴めなかった。
すぐに聞きたいっていう思いが強かったけれど、今日は忙しいし無理かな。
体育倉庫にまとめてしまっておいた用具を外に運び終えたわたしは、ため息をついた。
「沙耶、準備お疲れ様!」
体育祭の開始時間が近づいて、クラスのみんなが集まっている応援スペースへ向かうと、赤色のハチマキをした菜々花がわたしのもとにやってきた。
「これ、沙耶のハチマキ。横村くんから預かったよ」
「ありがとう。動いて汗かくし、髪結んじゃおうっと」
「わたしも結ぼうかなぁ」
「菜々花も一緒に結ぼうよ! ヘアゴム、余分に持ってるから」
そう言って盛り上がったわたしたちは、お揃いで髪型をポニーテールにしてハチマキをつけた。
いつも髪は下ろしていることが多いので、お互い「なんか新鮮だね!」と話しながらスマホをインカメラに設定して記念に写真を撮っていると、敦瑠と梶本くんがわたしたちのそばを通りかかった。
梶本くんはいつもと違う菜々花にすぐ気づいたみたい。
「菜々花、髪結んだのか」
「うん。気合い入れてみたんだ」
「結んでるのも似合うよな」
「あ、ありがとう……!」
微笑ましいやりとりが聞こえてくるけど、わたしはそばにいる敦瑠が気になってしまい、うつむいてじっとしていた。
わたしは実行委員としていつもより一時間早く登校した。
グラウンドに集まって、各自用具の準備や進行の確認をする。その合間にわたしは、鳴川先輩を目で追っていた。
昨日敦瑠が話していた鳴川先輩に彼女がいるという話を、本人にたしかめたい。
そう思っていたけれど、実行委員の仕事を優先しなければならないので、タイミングが掴めなかった。
すぐに聞きたいっていう思いが強かったけれど、今日は忙しいし無理かな。
体育倉庫にまとめてしまっておいた用具を外に運び終えたわたしは、ため息をついた。
「沙耶、準備お疲れ様!」
体育祭の開始時間が近づいて、クラスのみんなが集まっている応援スペースへ向かうと、赤色のハチマキをした菜々花がわたしのもとにやってきた。
「これ、沙耶のハチマキ。横村くんから預かったよ」
「ありがとう。動いて汗かくし、髪結んじゃおうっと」
「わたしも結ぼうかなぁ」
「菜々花も一緒に結ぼうよ! ヘアゴム、余分に持ってるから」
そう言って盛り上がったわたしたちは、お揃いで髪型をポニーテールにしてハチマキをつけた。
いつも髪は下ろしていることが多いので、お互い「なんか新鮮だね!」と話しながらスマホをインカメラに設定して記念に写真を撮っていると、敦瑠と梶本くんがわたしたちのそばを通りかかった。
梶本くんはいつもと違う菜々花にすぐ気づいたみたい。
「菜々花、髪結んだのか」
「うん。気合い入れてみたんだ」
「結んでるのも似合うよな」
「あ、ありがとう……!」
微笑ましいやりとりが聞こえてくるけど、わたしはそばにいる敦瑠が気になってしまい、うつむいてじっとしていた。