はじめての恋は、きみと一緒。

 家に帰ってきたわたしは、お母さんに「ただいま」と言ってすぐに二階にある自分の部屋に向かった。

 鞄を机の上に置いて、大きく息をつく。

 帰ってくるあいだも、昇降口での出来事で頭がいっぱいだった。

 好きとか、あきらめないとか、男の子に言われたのはもちろんはじめてだし、それをまさか敦瑠に言われるなんて思いもしなかった。

 この前好きな人の話をしていたとき、あれはわたしのことだったの?

 好きって、からかうつもりで言った……っていう感じではなかったよね。

 どうしよう、明日からどんな顔で敦瑠に会えばいいんだろう。

 落ち着かない気持ちのまま、部屋のラグの上にクッションと一緒に座ったわたしは、スマホを操作する。

 敦瑠に『さっきの話のことだけど』ってメッセージ……いやいや、できるわけない!

 画面に映った敦瑠の名前からスクロールで逃げて、『菜々花』をタップする。

『大変なことが起きちゃった。どうしたらいいんだろう』って送信したら、菜々花からすぐに『なにがあったの!?』と返ってきた。

 とにかく敦瑠のことを話して、自分でも気持ちを整理しなければと思うのに、思い出したらドキドキが止まらなくなっちゃって、文字が打てない!

 その間も心配する菜々花から『どうしたの!?』とメッセージが送られてくる。

 これはもう、直接話した方がいいかも。

 そう思ったわたしは、菜々花に電話をした。瞬きする間もなく繋がったのでスマホを耳に当てると、菜々花の慌てた声が聞こえてきた。

『沙耶!? なにか危険なことに巻き込まれたの!?』

「ち、違うの、ちょっと相談したいことがあるんだけど、電話大丈夫?」

『なんだ……あー、よかった、危ないことじゃなくて。うん、大丈夫だよ』

 ほっとしたような声になった菜々花にたいして、わたしは思い出して胸の鼓動が速くなってしまうのを抑えながら話し始める。