はじめての恋は、きみと一緒。

 梅雨入りしてから曇り空が続いているけど、体育祭当日の晴れの予報に変更はない。

 クラスでも種目の練習などをはじめて盛り上がってきていて、みんなで頑張ろうね、と団結が高まっているようだった。

 お昼休み、教室の窓から見える灰色の空を眺めながら『今日はこのまま雨が降らないといいな』と考えていた。

 今日は放課後、体育祭の前日準備で実行委員の集まりがあるから……。

「ねえ、沙耶?」

「えっ!?」

 いつのまにか菜々花がわたしの席まで来ていて、驚いた声を出してしまった。

「平気? 今日、お弁当ないから購買行ってくるね」

「う、うん。待って、わたしも飲み物買いに行く!」

 わたしは急いで鞄からお財布を取り出し、席を立った。

 購買にはパンやおにぎり、サラダや紙パックの飲み物などが売っている。

 菜々花はサンドイッチとレモンティー、お弁当があるわたしはオレンジジュースを買って教室に戻ってきた。

 そしていつものように菜々花の席でご飯を食べはじめる。

「沙耶、今日はよくぼうっとしてるよね」

「えっ、そう?」

「うん。なにか考えごと? 静かなのって珍しい」

 サンドイッチを袋から取り出した菜々花がわたしを見た。

 たしかに、敦瑠のこととか考えて口数が少なかったかも。

 結局、心の中のもやもやは晴れなくて。

 わたしも恋をすれば敦瑠にたいして不自然な態度になることもないだろうって、考えていたことを思い出していた。

 恋か……。