はじめての恋は、きみと一緒。

 なんとなく居心地の悪さを感じていると、敦瑠が一度階段の方を見て、それからわたしに視線を戻した。

「さっきの誰?」

「三年の鳴川先輩。実行委員で一緒なの。優しい先輩だよ」

「……ふうん」

 笑顔で鳴川先輩のことを話すと、敦瑠は眉を寄せて歩き出した。

 なんだか、怒ってる?

 気にしながら敦瑠の後についていくと、彼は先輩のことを詳しく聞いてきた。

「向こうから話しかけてきたのか?」

「困っているときに助けてくれたの。それでよく話すようになって、一緒に帰ろうって言ってくれて」

 階段を下りながらそう答えてホームにたどり着いたとき、敦瑠がじっとわたしのことを見てきた。

 やっぱり不機嫌な感じがする。

 なんなの、その視線は!

 不満に思っていると、敦瑠が短いため息をついた。

「……軽そうな先輩に目つけられてんなよ」

「はい!? 鳴川先輩はそんな人じゃないよ!」

 呆れたように言ってきたから、わたしはムッとしながら反論した。

 軽そうとか、相手のこと知らないのにそういう言い方ってよくないと思う。

「ていうか敦瑠、機嫌悪い?」

 いつもとは違う敦瑠の態度を指摘すると、彼はふいっと顔を逸らした。

 でもその横顔は、なにか我慢しているような表情で……。

「別に悪くない」

「嘘! 敦瑠の顔ほぼ毎日見ているんだから、わかるもん」

 そう言ったわたしに敦瑠は視線を戻して、真剣な顔つきになった。

 急に、どうしたの?

「……それなら、俺がどうしてあの先輩のこと気にしてるのかわかれよ」

 えっ……?

 ホームに電車がやってきて一瞬そちらに意識が向いたけど、すぐに敦瑠の言葉を考える。