もうっ……意識してるのはわたしだけってこと!?

「……敦瑠とわたしは、友達だもん。そういうのは絶対ない!」

 なんだかムキになってしまったわたしがそう言うと、「つまんないなぁ!」と杉谷が頭を掻いて話が途切れた。

 ほっとしながら飲み物を飲んだとき、視線を感じて横を向くと敦瑠がわたしを見ていて……その表情が一瞬ムッとしているように見えた。

 すぐに敦瑠は顔を逸らしてしまったから、わたしの勘違いかもしれないけど。

 今の話で敦瑠が怒るようなことなかったよね?

 わたしも少しもやもやしたけれど、その後の敦瑠は普通だったのであまり気にするのをやめた。

「よし、週明け俺は頑張って話しかけるぞ!」

 二時間ほどファーストフード店で話し込んだけれど、杉谷はまだまだテンションが高い。

 お店を出て「コンビニ寄って帰る」と言ったわたしに、敦瑠と杉谷もついてきた。

 そうだ、駅前だから杉谷の気になる子が働いているのはここのコンビニか。

 タクシー乗り場を過ぎてコンビニが近づいてくると、わたしは杉谷をちらっと振り向く。

 さっきまでうるさかったのに急に静かになった杉谷は、もしかしたら気になる子がバイト中かもしれないって思ってドキドキしているのだろうか。

 結構純粋だよね、って思いながら声をかけようとしたとき、杉谷が急に足を止めた。

「杉谷?」

 どうしたのかと敦瑠とわたしも立ち止まる。

 杉谷はコンビニの方を凝視したまま動かなくて、もうすぐたどり着くその場所へわたしも目を向けた。