はじめての恋は、きみと一緒。

 ちらっと敦瑠の様子を窺うように見ると目が合ってしまって、わたしは慌てて顔を逸らした。

 そんなわたしたちを向かいから見ている杉谷は、にやりとする。

「もしかして敦瑠、好きな子できたのか!?」

「……別にいいだろ俺のことは」

「教えてくれたっていいじゃん。敦瑠ってこういう話のときいつも自分のこと話さないんだもんなぁ」

 つまらなそうにそう言った杉谷はポテトをつまんで、今度はわたしに面白がるような目を向ける。

「沙耶は? 俺も相談にのってもらったし、男心とか俺になんでも聞いて参考にしろよ!」

 いや……杉谷は参考にならないだろうなって思っちゃうんだけど。

「つうか沙耶って、どんな男が好きなんだよ?」

「え……どんなって……かっこよくて面白くて、隣で一緒に笑ってくれる人」

 他にも理想は言うだけならたくさん上げられるけど、わたしも恋の話は苦手というか。

 とくに今は、敦瑠の前でなんだか気恥ずかしいからこの話題を早く終わらせたかった。

 それなのに!

 考えるような顔をしていた杉谷は、パンッと軽く手を叩いて楽しそうな声を出した。

「敦瑠と付き合えよ! 沙耶の理想に敦瑠は十分だし、お互いよく知ってんだからさ!」

「は、はい……!?」

 なに言ってるの、杉谷!

 杉谷からしたら面白がって言ってみただけなのだろうけど、最近敦瑠を意識することがあったわたしからしてみたら、上手く流せない冗談だった。

「あ、敦瑠とわたしが付き合うって、ありえないでしょ!」

「そうか?」

 むしゃむしゃとポテトを食べる杉谷にたいして、わたしは動揺していることをなんとか悟られないように必死。

 さっきから黙ってないで敦瑠も変なこと言うなってはねつけてよ!

 そういう思いで敦瑠をキッと見るけど、彼もポテトを食べていて会話に入る気がなさそう。