はじめての恋は、きみと一緒。

「俺のぶんじゃないのか!?」

 なかなか力を緩めないでいると、敦瑠も強くペットボトルを引きはじめる。

 その微妙なタイミングでわたしが手を離し、同時に敦瑠も手を離そうとしたため、ペットボトルがするっと落ちた。

「うわっ!?」

「さっき変な顔とか言ってからかってきた罰!」

「なっ……あれは別にからかったんじゃなくて、心配したんだろ!」

 敦瑠の反論を無視して自販機に戻り、自分の飲み物を購入する。

「ったく、これすぐには飲めねぇじゃん!」

 がっかりした敦瑠の声を背中で聞きながら、わたしはペットボトルのお茶を両手でぎゅっと握った。

 本当に、この妙な焦りはなんだろう。

 それからみんなと遊んでいてもドキドキした感覚は消えてくれなくて、敦瑠が視界に入るたびに落ち着かない気持ちになっていた。



「菜々花、おはよう!」

 翌日、昇降口で菜々花を見つけたわたしはあいさつをしながら右手を上げたけど、鈍い痛みに顔を歪める。

 あいさつを返してくれた菜々花がそれに気づいて首をかしげた。

「沙耶、腕どうかしたの?」

「うん……昨日、カラオケで盛り上がっちゃって、筋肉痛になったみたい」

「筋肉痛になるほど!? すごい動いたんだね」

「盛り上がる曲は踊り必須でしょう! 久しぶりのメンバーだったし。おかげで体のあちこち痛い」

 苦笑いをしながら腕をぎこちなく動かしたわたしは、下駄箱に靴をしまった。