はじめての恋は、きみと一緒。

 ……ありえない。だって相手は敦瑠だよ?

 動揺を抑えるために胸もとで拳を握っていると、敦瑠がすっと隣に移動してきた。

 そして、わたしの顔を覗くように見てくる。

 なんだかいつもとは違う男の子っぽさを感じて、ドキドキした。

「やっぱりお前……」

「喉乾いた、自販機行くところだったの!」

「あ、おい、待てよ」

 わたしは誤魔化すことに必死になって、自販機へ急いで歩き出した。

 うるさいドキドキ、静かになってよ。

 気持ちを紛らわしながら、休憩スペースにある自販機の前までやってきて、短く息をつく。

 追ってきていた敦瑠がたどり着いたのを確認して、ポケットから小銭を取り出し、自販機へ投入した。

「敦瑠のぶんも買う。この前、購買のジュース買ってもらったし」

「あー……じゃあ頼む」

「なにがいい?」

「炭酸」

 背を向けて会話をし、ボタンを押して出てきた炭酸飲料のペットボトルを取り出した。

 まだ、わたしの胸の高鳴りは続いている。

 それなのに敦瑠は平然としていて、さっきの会話のことなんかとくに気にしてなさそう。

 いつになったら胸の音は静かになるのかな……。

 くるりと敦瑠に振り返ったわたしは、じっと彼を見つめながらペットボトルを差し出した。

「サンキュ」

 笑みを浮かべてお礼を言った敦瑠が受け取ろうとしたとき、わたしは持っていたペットボトルを強く握って離さなかった。

「え、なんだよ」

 ベタな意地悪するな、と口もとに笑みを浮かべながら、ペットボトルとわたしを交互に見る敦瑠。

 わたしばっかり、なんで混乱しているんだろう。

 どうしたら気にならなくなるの?