はじめての恋は、きみと一緒。

 歩いてきた方向をちらっと確認すると、女の子たちはこちらの様子を窺うように見ていた。

 せっかく会えてうれしそうだったのに、敦瑠がこっちに来ちゃダメでしょ……。

「どうした?」

 首をかしげて心配そうに尋ねてきた敦瑠に、なんて言ったらいいのかわからなくて唇をぎゅっと結んだ。

 自分でも言い表せない想いだったから。

 でもそれには、なんとなく気恥ずかしさを感じている。

 考えて黙り込むわたしを見ていた敦瑠は、困ったような顔をしていた。

「……腹痛いのか?」

「はい!?」

「だってすげー困った顔して、今も変な顔したから具合悪いんじゃねぇの」

 深刻そうな表情でまたもや変な顔と言ってきた敦瑠を、わたしは不満たっぷりに見上げた。

 違う、自分の気持ちを言葉にできなくて悩んでいるんだよ!

 ……なんて、言ってもどうにもならないよね。

 そのまま黙っていると、敦瑠が目を細めた。

「わかった。俺が後輩と話しているのを見て妬いたんだな?」

 からかうように言った彼に、わたしは「え……?」と固まってしまった。

 敦瑠は、冗談で言ったんだと思う。わたしが言い返してくるのを待っているような感じで、この後お互い笑い合うのを予定していたはず。

 だけどわたしにとっては、見えていなかったものを教えてもらったような感覚だった。

 ――わたし、妬いてるの?

 わからなかった気持ち。

 その正体に気づいてしまった。でも、簡単には認められなくて。

「や、妬くってなに!? ありえないから!」

 そう言ったわたしは、敦瑠に勢いよく背を向けた。

 自分でもあのもやもやの正体はそうかもしれないって思うからか、ついムキになって否定してしまった。