はじめての恋は、きみと一緒。

 杉谷には五つ年下の妹がいて、結構デレついているのを周りは知っている。

「ゲーセン付き合うかわりに杉谷がジュース奢ってくれんの?」

「なんでだよ!?」

「アイスでもいいよ!」

「自分で買え!」

 敦瑠と杉谷の会話に笑いながら、 わたしたちはゲーセンに向かった。

「よし、いくぜ!」

 クレーンゲームにコインを入れて真剣な眼差しになった杉谷は、操作ボタンを押す。

 狙いを定めてお目当ての猫のキャラクターにクレーンを下ろすけど、一回では取ることができなかった。

「まぁ、そう簡単じゃねぇとは思ってた」

 想定内だというようにうなずいてもう一度挑戦するが、再び失敗。

 他のメンバーは適当に店内を回って、興味を持った景品を眺めたりゲーム機で遊んだりしている。

 最初は杉谷の挑戦を見守っていた敦瑠とわたしだったけど、時間がかかりそうだと判断して移動した。

「あれ……もしかして、先輩!?」

 敦瑠と通路を歩いて他のメンバーのところへたどり着いたとき、制服を着た三人のかわいい女子が声をかけてきた。

 見かけたことのある女の子たちで、同じ中学だったひとつ下の後輩だ。

「わぁ、久しぶりですね! ここにいるのを見かけるって友達から聞いてたけど、なかなか会えなくて。今日は寄ってみたら先輩がいてうれしいです!」

 後輩の女の子たちは敦瑠たちにそう言った後、わたしにお辞儀をする。

 そしてすぐに敦瑠の方に向き直った。

 中学の頃、こうして後輩から声をかけられている敦瑠を見たことがあったなと、思い出す。

 そうだ……好きな人って同い年じゃない可能性もある?

 後輩や先輩だってありえるかもしれない。

 どんな話しているのか、今日はやたらと気になった。