はじめての恋は、きみと一緒。

 通路へ出てみたら、すぐ後ろの騒がしい部屋の音が聞こえないので、ちょっと不思議な感じがする。

「やっぱりみんな元気で楽しいね」

 ふう、と息をつきながらそう言ったわたしに敦瑠はうなずく。

「中学のときから変わらないよな」

「うん。卒業しても会ってこうやって騒げるの、なんかいいよね」

 なかなか会うことができていない友達も、なにしているのかなって頭に浮かんでくる。

「もしも敦瑠と同じ学校じゃなかったら、こうして時間が合うときにしか会えなかったよね。そう考えると同じ学校でよかった。毎日会えるし」

 それは、自然に発した言葉だった。

 とくになにかを意識していたわけではなく、敦瑠が隣にいることってあたりまえみたいな感じで。

 毎日話して笑い合っていたいと思ったから。

 わたしの言葉の後、敦瑠がなにも言わなかったのでどうしたのかと振り向くと、彼はじっとわたしと見つめていた。

「敦瑠? どうしたの?」

「……ちょっと考えごと」

「ええっ!? 話してる途中で!?」

 マイペースな敦瑠に呆れつつ、彼の表情がどこか愁いのあるように感じたけれど、ドリンクコーナーにたどり着いたので気にするのをやめてしまった。




 二時間後カラオケ店を出ると、外は薄暗くなっていて駅前は帰宅する会社員などが増えはじめている。

「このままゲーセン戻っていい? 取りたいぬいぐるみがあるんだよ。妹に頼まれてんの思い出した」

 持っていた鞄を肩にかけて、はりきった声でそう言った杉谷にみんなは、「はいはい」と流れるように返事をした。