はじめての恋は、きみと一緒。

 時間が経ってからそういうのって恥ずかしくなるんだよね。

 そんなことを思いながら中学の頃を懐かしんでいると、敦瑠もからかうような笑みを浮かべる。

「たしか俺のデジカメにも沙耶のやばい顔が……」

「やめて。封印!」

「スマホにもあるぞ、最近の。でっかい口開けてハンバーガー食ってる不意打ちのやつ!」

「あっ、ちょっと今すぐ消しなさいよ!」

 わたしが奪おうとするよりも先に敦瑠はテーブルに置いてあったスマホを手に持って、べッと舌を出しながらポケッにそれをしまった。

「俺のスマホ奪ってもパスワードわからないだろ」

「もーう! スマホ出してロック解除して!」

 眉を寄せて不満たっぷりに敦瑠を見るけど、彼は意地悪っぽい笑みを浮かべてスマホを渡そうとはしない。

 言い合いをしているわたしたちをみんなは、「お前たち相変わらずだな」と面白そうに見ていた。

 こっちは恥ずかしいから必死なのに……! でも、変顔写真も思い出といえばそうなんだよね。

 しばらく経ったらそんなふうに考えはじめて、ちょうど自分の選曲した歌が流れだしたのもあり、あきらめたわたしはマイクを持った。

 順番に曲を歌っていって、盛り上がる曲は全員でダンスまでつけてはしゃぎ倒していた。

 次に歌いたい曲を予約して、自分にマイクが回ってくるまでに飲み物を注ぐため空になったグラスを持って席を立ったとき、視界に入った敦瑠のグラスも空だということに気づいた。

「敦瑠、飲み物持ってこようか?」

「一緒に行く」

 そう言った敦瑠はグラスを持って立ち上がった。