はじめての恋は、きみと一緒。

 一年生のときも梶本くんと敦瑠とはクラスが別で、二年生では四人一緒になれたらいいねって話していたけど、残念ながら昨年と同じで彼らはわたしたちの隣のクラスになってしまった。

「順調に仲良しでいいね」

「絢斗くんがいつも優しいから……仲良しでいられるのかも」

 照れながらそう言って自分の机に戻っていった菜々花が支度を終えたとき、ちょうど教室の出入口から「菜々花、帰ろう」と梶本くんが声をかけてきた。

 黒髪でクールな印象の梶本くんだけど、彼女が急いでそばにくると優しい表情で微笑む。

 ほんわかした気持ちで見守っていると、菜々花が「また明日ね、沙耶」と手を振ってくれたので、わたしも振り返した。

 好きな人と一緒に帰るの、いいなぁ。

 友達の恋の相談や悩みは聞いてきたけど、いつも思ったことや感じたことを言うだけで、高校生になっても男の子と付き合ったことがない。

 好きな人も簡単にはできないし……。

 かっこいいなって思う人を見つけたとしても、そのときだけだった。

 恋する気持ちはわかるけど、付き合うってどういう感じなのかな?

 ずっと憧れているのに。

 小さく息をついた後、鞄を持って教室を出た。

 そして廊下を歩いていると、ちょうど敦瑠が教室から出てきた。
 敦瑠には好きな人のことを聞いてしまってから変に意識してちょっと気まずいけれど、ここで避けたら変だし〝普通〟が一番いいに決まっている。

 大丈夫、平静でいよう。

 なんだか胸の音が騒がしくなってきたような感じがするけど、このまま普通で……なにごともなかったかのように……。