はじめての恋は、きみと一緒。

 気になるのは事実だから、間違ってはいない。

 でも、結構恥ずかしいことを言っているのではないかと、だんだん頭が冷静になってくる。

 友達として、気になるだけだよ。

 そう自分に言い聞かせて敦瑠を見ると、彼は少し驚いたような表情をしていて、目が合うと困ったように頭を掻いた。

「俺だって気になるよ」

「……え?」

「次、体育だろ。そろそろ行ったほうがいいぞ」

「あ、うん」

「教科書、ありがとな。後で返しにくるから」

「わかった」

 淡々と言葉を交わした後、自分の教室へ戻っていく敦瑠の背中を見つめた後、後ろでわたしたちの会話を聞いていただろう菜々花に視線を向ける。

 菜々花はわたしの肩に手を置いて微笑んだ。

「敦瑠くんに聞いてみて、どうだった?」

「どうって……」

 よくわからなくなっちゃったよ。

『俺だって気になるよ』って、どういうこと?

 わたしがどんな人を好きになるのか、敦瑠も気になるの?

「……とりあえず、体育館に移動しよう。授業遅れたら嫌だし」

 頭の中が混乱しているけど、このまま突っ立っているわけにもいかないので、わたしは菜々花にそう言って歩き出した。

 さっきの会話を思い出すと胸の鼓動が速くなるのは、気のせい……なのかな?