はじめての恋は、きみと一緒。

 俺がそう言うと、沙耶は俺の背中にぎゅっと腕を回してきた。

 そして遠慮がちに尋ねてくる。

「……どうして急にバイト増やしたの?」

「沙耶と一緒にいろんなところに遊びに行きたいと思ったから。夏休み中に稼いでおこうと思って」

「そうだったの……? わたしと距離置いてるわけじゃなかったんだ……」

「そんなわけないだろ!」

 俺は勢いよく否定した。

 まさか、そんな誤解をされるとは思っていなかった。

 どれだけ沙耶を好きなのか、はっきりと目に見える形で表すことができたらいいのに、なんて思う。

「今さら一緒にいたいなんて敦瑠は思わないのかなって……わたしばっかり浮かれてるのかと思った」

「……俺の方が十分浮かれてんだろ。一緒にいたいに決まってる。でもバイトばかりになったのは、ごめん。理由を言えばよかったんだろうけど、驚かせたかったっていうか」

 俺がそう言うと、沙耶が腕の中で小さく笑った。

「勝手に不安になっちゃって、わたしもごめんね」

 ゆっくりと離れて俺と目を合わせた沙耶は、安心した表情をしていた。

 俺も今度こそ心の底からほっとできたような気がして、バッグからプレゼント袋を取り出し、沙耶に渡した。

 袋はピンク色で、黄色いリボンがついている。

「なにこれ……?」

「んー、沙耶に似合うかなって。贈り物だって店員に言ったらかわいい袋に入れられて、結構恥ずかしかったけど」

「開けていい?」

「もちろん」

 袋を開けて中身を見る沙耶をじっと見ていると、彼女の表情がはじけるように明るくなった。