はじめての恋は、きみと一緒。

「敦瑠、あ……あのねっ……!」

 上擦ってしまった声が余計に恥ずかしくて、再び焼きそばを食べようとしていた敦瑠がこちらに顔を向けてくれたのに、言おうと思った言葉が出てこない。

 好きって言うんだよ、早く声……! 声出さないと、伝えられない!

 やたらと焦ってしまった結果、上手く言葉が出てこなくて慌てるわたしに敦瑠が首をかしげる。

「なんだよ?」

「えっと、あの……も、もうちょっと待って!」

 もうダメ、少し落ち着いて頭の中で言葉を整理してからにしよう。

 そう思って一度敦瑠に背を向け、気持ちを整えてから体の向きを戻す。

 すると敦瑠はじっとわたしを見ていて、頬が熱くなってきた。

「な、なんかもう、言いたいことあるのに恥ずかしくて言えない……!」

 あんなに『言うぞ!』って決心してお祭りに来たのに、いざ伝えようとしたらこんなにできないなんて。

 好きってひと言が遠い。

 好きって言いたくて泣きそう。

 よくわからない感情でいっぱいになっていると、敦瑠が笑った。

「顔赤いけど?」

「だ、だからこれは……!」

「うん」

「わたし、敦瑠のこと――」

 じっと見つめてくる敦瑠にドキドキして、どうにかなりそうで。

 困ってやっぱり言葉を続けられないわたしの頬に敦瑠はそっと触れてきた。

「その表情、期待するけどいいの?」

 胸の高鳴りがいっそう強くなって、苦しいくらいの鼓動が全身に響き渡る。

 頬を触る手にゆっくりと自分の手を添えると、敦瑠が目を細めた。

「俺を好きって言ってほしい」

 彼の言葉を聞いて、甘い気持ちがあふれだした。

「……敦瑠のことが好きだよ」