「ここで勉強してたんだな」

「うん! 絢斗くんたちも勉強?」

「ああ。今回範囲広いから、ちゃんと見直したいんだ」

 わたしたちのテーブルに梶本くんがやってきて、もちろんその横には敦瑠がいる。

 菜々花と梶本くんの会話を聞きながら、やっぱり気になってしまう敦瑠にそっと視線を向けると、まさかのタイミングで相手もわたしに目を向けたところだった。

「……今日暑いよな」

「えっ!? う、うん」

 視線が合ってしまい、仕方なく話を振ってみたという感じの敦瑠に、わたしは動揺しながら返事をした。

 こうして気まずさが最大級だから、好きなんて伝える雰囲気じゃないように思えてしまう。

 そんなわたしたちを見ていた梶本くんがなにを思ったのか「菜々花、ちょっと詰めて」と言って、彼女の隣に座った。

「俺たちも目的は勉強だし、四人で一緒にやろう」

「えっ!? あ、うん……いいと思う……」

 菜々花がわたしの様子を窺うようにしながら、『これって平気?』という迷いのある表情で返事をしている。

 嘘でしょう!?

 そう心の中で叫んだのは、わたしだけじゃないのかも。

 梶本くんの隣にいる敦瑠も困惑したような表情だった。

 だけど、この場で突っ立っているのは不自然だと思ったのか、敦瑠はわたしの隣に座った。