はじめての恋は、きみと一緒。

 そんなふうに海乃ちゃんが思っていて、わたしに相談したとは思わなかった。

 好きだからこそ、なのかな。

 わたしだってもし敦瑠が他の女の子と親しくしているのを何度も目撃したら……嫉妬しちゃうと思う。

 別に内緒にしていてもわからなかったことなのにこうして話してくれたのは、わたしだけが悪いんじゃないって、海乃ちゃんが伝えてくれているような気がした。

 そう考えていると、深く息をついた海乃ちゃんが眉を下げて小さく笑った。

「沙耶ちゃん、わたしがお願いした通りに連絡先書いたメモを敦瑠くんに渡してくれたよね?」

「う、うん……」

「ありがとう。でもね、連絡来なかったよ」

「えっ?」

 敦瑠は連絡するって言っていたのに……?

「メモ用紙返されちゃった。そのときに、『わたし、敦瑠くんのことが気になってるから仲良くなりたい!』って、勢いで伝えちゃったんだ。自分でも言えたことに驚いた。それで……『ごめん』って言われたの」

 そう言った海乃ちゃんは、どこかすっきりしたような表情をしている。

「敦瑠くん、好きな人がいるんだって。それを聞いて、最初はかなりショックだった。でも、夏休み前に大会があるし落ち込んでいられないからさ」

 晴れやかにそう言った海乃ちゃんは、真っ直ぐわたしを見た。

「好きな人って、沙耶ちゃんのことじゃない?」

「それは……」

「いいの、もう。わたし、結構吹っ切れてるから! 元々ダメだろうなぁって思ってたのもあるし、沙耶ちゃんと敦瑠くんが上手くいくなら納得できる!」

 だから気にしないで、というように海乃ちゃんはわたしの肩を軽く叩いた。

「自分の想いが叶わないってわかったから、こうして言えるのかもしれない。前からどこかふたりはお似合いだなって思っているところはあったから。でも認めたくなくて、嫉妬して、ずるいことばかり考えちゃった。だけどもう、この数日で気持ち整理できたし、沙耶ちゃんに頑張ってねって言えるよ」