君の声



もうすぐお昼休みに入るという時間、オフィス内が急にザワザワし始めた。




電話で話し中の私は周囲の雑音が気になった。




話し終わり受話器を置くと、周りの様子がわかってきた。


聞こえてきたのはたくさんの男性達の声、および、はしゃいでいる女子社員の黄色い声。

パソコン越しに顔をあげ、声のする方を見ると、オフィスの端のほうに会議のために集まったとみられる営業マンたちが大勢いた。

何人かがお互いにあいさつしたり、女子社員たちとおしゃべりしたりしている。






まずい!

山田さんも来ているかも!






そう思った私はサッと顔をパソコンの影に隠した。





あ~早く、早くみんな会議室に行って~!





そう祈りながらじっとパソコンを見つめた。