ツイてない女子は王子に求婚される！！

「あなた、異世界にずっといたの？」

付け回されていたあの恐怖を思い出し、菜乃花の体が震える。ストーカーはニヤニヤと笑った。

「そうだよ。いつものように菜乃花ちゃんの後をつけていたら、急に目の前が真っ白になったんだ。そして気がついたらここにいたんだよ。でも、まさか異世界でもう一度菜乃花ちゃんに会えるなんてよかった」

ストーカーの言葉に菜乃花は悲鳴を上げ、危険を察したのかクーガーが自分の剣に手をかけた。

「お前、元の世界で菜乃花とどういった関係か知らないが、俺の女を怯えさせてただで済むと思うなよ」

しかし、そんな脅しにもストーカーはケラケラ笑う。

「面白い！僕はあんたにもう裁けないよ！！これからとってもいい場所に連れて行ってあげるね」

そう言い、ストーカーは馬車を猛スピードで動かし始める。乱暴な運転に、「きゃっ！」と菜乃花は悲鳴を上げてクーガーの腕を掴んだ。

「菜乃花、大丈夫だ。俺が必ずお前を守る」