しかし、クーガーにはそう言ったものの、菜乃花の胸には彼氏に振られてからなかったときめきがあった。クーガーに恋をしたが、まだ結婚は早い。そう菜乃花は思っている。
すると、突然馬車が止まった。まだ目的地まではかなり遠い。何事かとクーガーが外に出ようとする。すると、御者が降りてきた。
「菜乃花様、あなたは元の世界に帰るつもりはないのですか?」
「えっ……」
突然そんなことを言われ、菜乃花は首を傾げる。元の世界に帰りたいかなどクーガーしか訊いてこなかった。王宮の使用人や街の人たちは、女性に興味のないクーガーにようやく愛しい人ができたと喜んでいたくらいだ。
「私、今はこの世界にいたいです……」
菜乃花がそう言うと、「僕に見覚えない?」と御者は深く被っていた帽子を脱いだ。その顔を見て、菜乃花は「嘘っ!!あなたは!!」と驚きの声を上げる。
目の前にいたのは、菜乃花が大学生の頃からずっと悩まされていたストーカーだった。行く先々で菜乃花を付け回し、家に気持ち悪い手紙を送りつけ、菜乃花が警察に相談しようか考えていた頃、姿を消した。
すると、突然馬車が止まった。まだ目的地まではかなり遠い。何事かとクーガーが外に出ようとする。すると、御者が降りてきた。
「菜乃花様、あなたは元の世界に帰るつもりはないのですか?」
「えっ……」
突然そんなことを言われ、菜乃花は首を傾げる。元の世界に帰りたいかなどクーガーしか訊いてこなかった。王宮の使用人や街の人たちは、女性に興味のないクーガーにようやく愛しい人ができたと喜んでいたくらいだ。
「私、今はこの世界にいたいです……」
菜乃花がそう言うと、「僕に見覚えない?」と御者は深く被っていた帽子を脱いだ。その顔を見て、菜乃花は「嘘っ!!あなたは!!」と驚きの声を上げる。
目の前にいたのは、菜乃花が大学生の頃からずっと悩まされていたストーカーだった。行く先々で菜乃花を付け回し、家に気持ち悪い手紙を送りつけ、菜乃花が警察に相談しようか考えていた頃、姿を消した。


