「邪魔だ。どけろ」



自分でも信じられないくらい低い声で汚い言葉が出た。


こんなこと言いたかったんじゃない...はず。


ちらっと視線を動かすと...目が合った。


高熱でもあるんじゃないかと心配になるくらい顔を真っ赤にしてオレに視線を投げ掛けてくる。


オレは全て振り払うようにまた汚い言葉を並べる。



「また同じクラスかよ。心まで朽ちてる泥棒女と同じなんてもう勘弁なんだけど」


「ごめんなさい...」



チッと舌打ちをし、彼女の真横を通って教室に入った。